「段取り八分」という、仕事を進める上で事前の準備がいかに重要かを表した言葉があるが、これはエゾシカ猟にも当てはまると私は考えている。
私自身は、事前の下見にかなりの労力を割いており、「その場所に行けば大抵シカに出会える」という場所を絞り込むまでは、銃を持って出かけることはない。
そうは言っても、実際に猟に出かけて獲物も見つけたのに、肝心の鉄砲が当たらなければ、獲物に逃げられ、その日苦労して歩いた努力は無駄になってしまう。
私自身、それで何度も悔しい思いをしているので、射撃を含めて、銃の取扱いを十分練習しておくことはとても大事だと思う。
銃猟という行為の中で、射撃の占めるウエートはそれほど高くないというのが私の持論だが、そこでしくじれば、これまでの段取りが台無しになる「最後の詰め」であり、ひとつ間違えれば大事故に繋がるのが射撃の怖さだと思う。
私にとって射撃とは「小さいけれど大切な鍵」である。
決して蔑ろにしないよう気をつけているつもりだ。