西興部村猟区管理協会主催の新人ハンターセミナーについての続きです。
今日は私のエゾシカ猟デビューであった、第5回新人ハンターセミナーでの苦い思い出についてお話しします。
第1回目から第4回目のセミナーには非狩猟者として参加した私ですが、その間に2回の出猟実習と3回の解体実習を体験させていただきました。
もっとも銃も持っていない当時の私は、山スキーを履いての忍び猟実習では、散弾銃のエアソフトガンを背負って参加し、本当のハンターの後について、一応据銃のまねごとなどしておりました。
今から考えると、涙ぐましいというか、むしろ滑稽な姿だったことでしょう。
流し猟の時は、実際に撃つハンターだけが、車外にでて鹿を狙うのですが、それでも実際に鹿を撃ち取る現場に2回も立ち会うことが出来ました。
来年こそは、私も自分の散弾銃を持って鹿を撃つのだと、胸を高鳴らせたものです。
そしてようやく迎えた第5回セミナーで、とうとう私も新人ハンターの一人として、実猟実習に臨む日がやってきました。
その時のセミナーの様子は、こちらのサイトで詳しく紹介されていますので、ご参照下さい。
西興部村猟区管理協会HPより、
第5回西興部村猟区新人ハンターセミナーの様子HP「ハングリーハンター」より、
西興部村猟区・狩猟セミナー参加日記
結論だけを言えば、1頭のシカも捕ることが出来なかったのですが、単なる数字以上に私にとっては苦い経験となったデビュー戦となりました。
実猟実習では、軽い積雪の中での流し猟となったのですが、これまでのセミナーと比べて極端に出会いの少ない実習となりました。
2日間の実習を通じて2回の出会いがあったのですが、どちらもまったくいいとこなしの結果でした。
特に1回目の出会いが、私にとっては最悪でした。
その時はシカとの距離が遠くて発砲できなかったのですが、いざ脱包して車に戻ろうと、M870のスライドをひいたら、ケースが薬室の縁に引っ掛かってなかなか排莢できません。
つい思い切ってのスライドを引いたら、実包が思い切り飛んでいって粉雪の中へ消えてしまいました(泣)
なかなか見つからずに焦っているうちに銃を雪の中に置いてしまい、当然、銃は雪まみれに。
あたふたしてようやく車に戻ったら、今度はガイドを務めて下さっていた西興部猟区管理協会の会長さんから、銃口に雪が詰まってると指摘されました。
そこで慌てて銃身を外そうとして、つい銃口を運転席にいる会長さんに向けてしまい、「銃口を人に向けるな!」と怒鳴られてしまいました。
狩猟ガイドとしてはごく当然の行動なのですが、普段温厚な会長さんに怒鳴られたのは、私としてはとてもショックでした。
逆に言えば、温厚な会長さんが怒鳴るほどの危険な行動を、私が取ってしまったということです。
このことを思い出す度に、私は自分が情けなくなります。
これですっかり動揺してしまった私は、すっかり緊張の糸が切れてしまっていたのかもしれません。
2回目の出会いでは、造林地の中にいる子鹿を会長さんが発見してくれたのですが、相手を視認できないまま車を降りた私は、不用意に近づこうととして大きな音を立ててしまい、結局すぐ目の前にいた相手に走られてしまいました。
こうして私の初出猟であった、第5回新人ハンターセミナーでの出猟実習はあっさり終わってしまいました。
ついに1発も撃てないままの、ほろ苦いデビュー戦でした。
セミナーでは割と古株であった私の初猟に、なんとか成果を挙げさせてやろうと配慮して下さった、猟区スタッフの皆さんのお気持ちに応えられなかったのも残念でしたが、なにより会長さんに銃口を向けてしまい、怒られてしまったのがショックでした。
もちろん、全国から集まったセミナー参加者の前で格好良くシカを仕留めて、いいところを見せたかったという気持ちがあったことも確かです。
そんなこんなで、情けないやら悔しいやらで、気持ちがぐちゃぐちゃになってしまった私の初猟でした。
後日冷静になって考えてみると、私の中には「猟区に行けば簡単にシカを捕らせてくれるだろう」という甘えた気持ちがありました。
それが証拠に私は、うちの地域でのエゾシカ猟解禁からセミナーの当日まで、出猟はおろか猟場の下見にすら行っていませんでした。
大事なことを他人任せにして、自立したハンターになろうとしなかった、そんな甘い気持ちを持っていた自分が、私はとても恥ずかしくて仕方がありませんでした。
それから私は、何とか自力で1頭だけでもシカを仕留めたいと強く願って、単独猟に出るようになりました。
その気になれば、車で10分も走れば猟場に出られる土地に住んでいる私です。
とにかく出猟の機会を増やして、経験値を上げることに努めました。
12月中は毎週1回、年が明けてからは、ほぼ毎週の土日に2回ずつ出猟していました。
最初のうちは、どこにいったらシカがいるかも分からずに、やみくもにスキーを履いて山をさまよっていただけでしたが、猟期も終わり頃になると、あそこにいけば十中八九は2~3回の発砲チャンスがあるだろうというポイントが分かるようになってきました。
結局1頭もシカは捕れませんでしたが、毎回何かしら新しい失敗と発見があって、自分の経験値が少しずつ上がってくるのが実感できました。
私が経験した失敗をいくつか上げてみましょう。
ちなみに、ほとんどの出会いがスキーでの忍び猟の最中でした。
・距離を詰め切れずに遠距離から撃って外す
・依託射撃にこだわって、まごまごしているうちに走られる
・絶好の発砲チャンスで、目の前の土手をスキーで登ろうとして転ぶ
・忍び猟の最中、すぐ目の前に飛び出したシカに驚いて装填にまごつく間に逃げられる
・いつも車を止めているスペースに1頭のオスジカがいてこっちを睨んでた。
人家の前なので見逃したら、なぜかいつもの忍び猟コースに先回りされる。
常にこっちを見ながら歩いていて、決して射程距離に入らせない。
他のシカもつられて逃げてしまい、結局発砲のチャンスがなかった。
このようにミスの連続といってもたわいのないものばかりで、人に銃口を向けてしまった時のような安全にかかわる失敗はしないように気を付けています。
変な言い方かもしれませんが、現場で一つミスをするたびに「こういうパターンもあるのか!」という発見があり、自分の経験値が上がっていくのを感じます。
今になってみると、セミナーの実習で1発も撃てなかったというふがいない結果は、かえって奮起の材料になって良かったのかもしれません。
もっとも、銃口を人に向けて怒られてしまったことだけは余計でしたが。
もうすぐ次の猟期も始まります。
つい先日、私も今期の狩猟者登録の申請をしてきました。
今期こそは、自分の力でなんとかエゾシカを1頭仕留めたいものです。
そしたら、まっさきに西興部猟区管理協会の皆さんに報告したいと思います。
そうすることで、これまですごくお世話になってきた猟区スタッフの皆さんに対する、ささやかな恩返しになればいいなと思っています。