先週末の出猟記です。
○ 11/23(土) 大雪
水曜日から降り続いている大雪のため、積雪がこの3日だけで一気に80cmを越えてしまいました。
流し猟コースは軒並み通れなくなってしまったので、スキーを履いての流し猟に切り替えることにしました。
この日も相変わらずものすごい勢いで雪が降り続いていますので、猟果はとても期待できませんが、今季初の山スキーですので、足慣らしのつもりで夜明けから出猟しました。
出かけた先は、先日2頭のオスジカを見かけた沢です。
ところが、先週大量の足跡が見られた草地や河畔林にも足跡は全く見られません。
どうやら奥の鳥獣保護区にある針葉樹林から出てきていない模様です。
ほぼ平坦な林道を鳥獣保護区との境界まで、スキーで1時間歩いてみましたが、見かけたのはウサギが1羽とシカ道がわずかに一本だけでした。
帰りは吹雪になってしまいましたが、折り返し点から約40分かけて無事に車まで帰り着きました。
なんだか、シカのための通り道を踏むために出かけたような初スキーでした。
「なあ兄弟、せっかくラッセルしといたから、この道踏んで手前まで出てきてくれよ!」
歩きながら、そんなことをつらつら考えていたものです。
その後、もう一本の忍び猟コースの入り口まで車で偵察に行き、車止めの除雪状況を確認してから、今日の猟は午前中で終了しました。
○ 11/24(日) 曇り時々小雪
昨日も結局1日中の雪が降り続いていましたが、今朝起きてみると久しぶりに雪が止んでいました。
天候は薄曇りで、時々日も差しています。
昨日のスキーのせいで足の付け根が少し痛みます。
毎週末の出猟で少し疲れがたまってきましたので、今朝の出猟をどうするか迷ってしまいました。
今猟期、これまでのシカの出没パターンでは、どうやら夜の間じゅう雪が降り続いていた場合には、夜明け間近になって雪がやんでも、シカは山奥のねぐらから降りてこないようです。
それでもせっかく天候が回復したことですし、山に行かないことには何も得られないんだぞ!と自分に言い聞かせて、夜明けと共に出猟することにしました。
ところが、昨日入猟した沢に繋がる村道に車で入ってみたところ、昨日からさらに降り積もった雪が私のRV車でも押し切れなくなってしまいました。
結局、半分も行かないうちに通行を断念。
方向転換もままならず、やっとの思いでバックして戻ってきました。
せっかく昨日苦労して踏んだトレースも無駄になってしまいました。
お天気と喧嘩しても勝てないのは判っていますが、やっぱり悲しいです (T_T)
しょうがないので、もう1本の忍び猟コースに入ることにしました。
このコースは鳥獣保護区である山の谷間に入り込んだ民有地で、厳冬期には沢を流れている川が雪で塞がり、そこがシカの通り道になっています。
昨猟期はこのコースにばかり入っていましたが、今期はまだシカの痕跡がいまいち少なかったので、昨日は入るのを見合わせた場所です。
しっかりと除雪された村道の終点にある車止めに駐車して、スキーで歩き出しましたが、案の定まだ川は塞がっておらず、シカ道も出来ていません。
昨猟期なら、河道に沿ってシカ道を辿っていくパターンでしたが、今日は川も渡れませんので、河川と少し離れて平行に走っている林道の上を、沢の奥にある鳥獣保護区との境界まで歩いてみることにしました。
忍び猟と言うよりも、スキーによる流し猟という感じでしょうか。
いつもの忍びコースの終点まで、ほぼ平坦な河畔林の中を1時間半ほどかけて歩いてみましたが、シカはもちろん、他の動物との出会いはまったくありませんでした。
それでもシカ道は5・6本見かけましたが、どの足跡も沢の左右にある山から川に対してほぼ直角についていました。
どうやら、昨猟期の厳冬期に良く見られたような、川に沿って縦に長く移動するパターンではなく。鳥獣保護区である左右の山の上から、夜明け前に水を飲みに降りてきて、すぐにまた山に戻るという行動パターンのようです。
川が雪で塞がり、この大雪がおさまるまでは、このパターンが続くのでしょうか?
そうだとしたら、こちらはちょっと手が出せません。
本当に困ったものです。
こんなことを考えながら、沢の終点まで歩いてきて、ある失敗に気づきました。
行動食として買ってきた菓子パンとお茶を、なんと車の中に置き忘れてきてしまったのです。
おかげで帰りはお腹が空いてへろへろに。
頭もぼうっとして、判断力も著しく低下してしまいました。
しかたがないので雪をかじりながら空腹を紛らわせてみましたが、帰り道は周りを見る余裕もなく、足元ばかり見て、とぼとぼと歩いてきました。
行きにラッセルしたトレースを踏んできたにもかかわらず、スタミナを消耗してしまって、最後は50m程歩いてはひと休みという感じでしたので、結局帰り道も行きとほぼ同じ時間がかかってしまいました。
平坦な道だったので、なにごともなく無事に帰ってこれましたが、これが本当の山で、しかも途中でなんらかのアクシデントがあったとしたら、ちょっと危ないことになっていたかもしれません。
へろへろになってしまいましたので、この日の猟も午前中で終了です。
<本日の教訓>
「山に行く時は、行動食を忘れずに!
スタミナが切れる前にこまめに栄養補給しましょう!!」
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by kikyo-ya3
| 2006-12-06 16:11
| 狩猟
○ 11/23(木・祝) 猛吹雪
低気圧の通過により、昨晩からの猛吹雪。
猟果は見込めそうもないものの、流しコースである林道が雪で塞がらないように出来るだけ踏んでおきたかったので思い切って出猟しました。
案の定、視界が悪く、林道を走るだけで精一杯の状態でした。
日の出から3時間ほど流して終了。出会いはありませんでした。
無事に帰ってこれただけでも良しとしましょう。
○ 11/25(土) 晴れ
日の出(AM6:40)と共に出猟。
林地と農地・草地の境界あたりを流していると、おびただしい数の足跡、掘り跡が見られました。
どうやら23日の吹雪がやんだ直後から、大量のシカが低地に降りてきてエサ探しをしていたようです。
もしかしたら昨日の朝が狙い目だったのかもしれません。
ちょっと残念です。
しかし雪の影響でシカが山から下りてきてくれるのなら好都合です。
流し猟にも期待が持てるというものです。
AM7:20、今猟期初の出会いがありました。
2本目の沢沿いの林道に入ったとたん、林道のすぐ脇から2頭のシカが飛び出して、山の方に走り去っていきました。
あわてて急停車はしたものの、シカは河畔林の向こうに消えてしまいました。
もう撃てないかと思って落胆していると、その2頭が50m程離れたところで立ち止まってこちらの様子をうかがっているのが見えました。
急いで銃をケースから取り出して、そっと車を降り、林道脇の河畔林に踏み込んでいきます。
それを見て2頭はまた走りだしたものの、少し走ってから、川を渡った対岸でまた立ち止まりました。
そっと銃カバーを外し、M870の安全装置を確認してから、薬室に1発装填、音がしないように細心の注意を払いながらスライドを閉じ、スコープのバトラーキャップを開きます。
これだけの作業をしている間にも、対岸のシカには動く気配はありません。
どうやら河畔林の立木が邪魔になっていて、こちらの様子は見えていない模様です。
立木の陰に隠れるようにして20m程距離を詰めましたが、まだ2頭とも動きません。
こちら側の河畔林が途切れるあたりで、射撃体勢に入りました。
立木に隠れながら、その立木に左手でもたれかかり、同時に左膝で立木をホールドするようにして、立射のまま依託射撃の体勢を取ります。
倍率を3倍に設定したスコープには、若いオスジカ2頭の姿が見えています。
距離は100mちょっと位でしょうか。
そのうち、右の1頭がうまい具合に真横を向いていましたので、そちらの胴体の中心に照準を合わせました。
すぐ後ろは山、矢先の危険もありません。
まだ相手は動く気配がありません。
「これなら撃てる!」
そう思いながらも、ふっとある考えがよぎりました。
「そうだ胴体の真ん中じゃなくて、バイタルゾーン狙わなくちゃ・・・」
そのまま狙い込むこと2~3秒くらいだったでしょうか、視界の隅でもう1頭が走り出すのが見えました。
そちらに気を取られた次の瞬間、狙っていた方のオスジカも走り出してしまい、あっという間に笹藪の中に消えてしまいました。
しばし呆然。
気を取り直して、とにかく銃から弾を抜きました。
銃にカバーをかけて車に戻りながら、じわじわと悔しさがこみ上げてきました。
引き金を引くチャンスは十分にあったのに、決断が遅くて絶好の機会を逃してしまいました。
十分な射撃体勢に入っていながら、気が付けば、銃の安全装置も解除していませんでした。
まったく間抜けとしか言いようがありません。
結局このあとは一回も出会いがありませんでした。
チャンスを逃した悔しさが残る1日でした。
<今日の教訓>
「とにかく照準を合わせたら、あれこれ考えずにすぐ撃ちましょう!」
○ 11/26(日) 雨!!
11月も下旬だというのに、朝から雨が降っています。
せっかく雪のおかげでシカが山から降りてきてくれたというのに、これでは先行きが思いやられます。
今日はまだ積雪もありことですし、シカも低いところにいるかもしれませんので、いつもの低地中心の流しコースを巡回しました。
昨日シカの足跡を発見した農地・草地には、さらに新しい足跡が大量についていました。
雪のおかげで、シカの行動圏がかなり把握できるようになって、シカの痕跡が濃い沢が3本程度に絞られてきました。
おかげで闇雲に流さなくて良くなり、かなり楽になってきました。
ところが、足跡は大量に見つかるのに、肝心のシカそのものがまったく見つかりません。
この日は日の出直後と日没前の2回流してみましたが、結局、出会いはありませんでした。
夜明け直後と日地没前に流してみたのに、1頭も見つからないところをみると、低地での採食は夜の間だけで、日中は山に戻ってしまっているのでしょうか?
私の巡回コースは、ほとんどが鳥獣保護区と狩猟可能な農地の境界に当たりますので、鳥獣保護区である山に逃げ込まれてしまうと、残念ながら手も足も出せません。
それでも、可猟区の河畔林の中で、シカが座り込んで休息していたと思われる窪みをいくつか発見しました。
ほとんどが林道のすぐ脇にあり、すごいものでは林道の上に休息の跡が付いているところもありました。
もしかしたら、夜明け直後に休息していたところに、もろに車で踏み込んでしまったのかもしれません。
これではシカが車の音に驚いて逃げてしまったとしてもしょうがないですね。
次回はシカに気づかれないように林道を大きく回り込んで、休息跡のあったエリアの上側から、歩いて攻めてみようかと思います。
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by kikyo-ya3
| 2006-12-02 12:44
| 狩猟
この土日、今期初のエゾシカ猟に出猟しました。
両日とも明け方から数時間の流し猟だったのですが、夜明け前から降り続いた雪のせいか、一頭の出会いもなく空振りとなりました。
積雪は10~15cm程度、ちょっと怖いですが、まだ林道も走れる状態でした。
前から目を付けていて一番の狙い目だったポイントでは、ちょっと前の足跡が山に向かってついていましたので、夜明け前に山に戻ったのかもしれません。
あいにくとその奥は鳥獣保護区なので、いったん山には入られると手も足も出せません (T_T)
林道を流している途中、隣町から山を越えてきた来たハンターグループの車とすれ違いましたので、挨拶がてら情報交換すると、山奥で出会いはあったものの撃てるような場所には一頭もいなかったとのこと。
帰りにもすれ違いましたが、向こうもやっぱり空振りだったようで、お互い苦笑いしながら手を振って別れました。
それでも、昨年忍び猟で入っていた沢には真新しい足跡がびっちりついていましたので、今年も十分な密度が期待できそうです。
これ以上雪が積もって流し猟が出来なくなったら、スキーを履いてその沢での忍び猟に入る予定です。
意気込んで出かけたにも関わらず、期待はずれの初猟となってしまいましたが、気を取り直して、今週末も頑張りたいと思います。
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by kikyo-ya3
| 2006-11-20 12:51
| 狩猟
せっかくスズ弾の弾速を測ってきましたので、弾道データを計算してみました。
使用したのはこちらのサイトです。
JBM - Calculations - Trajectory
弾速、弾頭重量、BC(Ballistic Coefficient)等のパラメータを入力するだけで、無料で弾道計算をしてくれます。
ところで、弾道計算を行うのに不可欠なパラメータがBCの値なのですが、実はスズ弾頭のBCは分かっていません。
バーンズやレミントン等、私が知っているサボー弾頭のBCがだいたい0.1~0.2程度でしたので、今回はその間を取って0.15として計算してみました。
計算結果の画面を画像として貼り付けます。
ただしこの画像は余分なパラメータを削除するために加工してありますので、実際の画面とは異なります。
ブログ上では縮小されて良く読めないかもしれませんので、よく見たいという方はご自分のPCに保存して拡大してみて下さい。
出力結果である「Calculated Table」を見ますと、銃口からの距離ごとに、弾道の落差(Drop)、弾速(Velocity)、弾頭の残存エネルギー(Energy)等の推定値が分かります。
まず弾道に着目しますと、100ヤードでゼロインを取った場合、60ヤード地点で2インチ上に、120ヤード地点で約3インチ下に着弾することが分かります。
ちなみに1ヤード=0.9144メートルですので、正照準のまま撃てるのはだいたい120ヤード(約110m)地点までだということになります。
一方獲物を倒すのに必要な、弾頭の持つ残存エネルギーに注目してみます。
毎度おなじみ
「ガンスミス滝田浩さんのページ」にある「ハンティングの談話室」の過去ログに以下のような書き込みがありました。
「私の持っている資料によりますと、鹿、アンテロープ、などのゲームに対しての着弾エネルギーは最低900、完璧1500、一般で1200が必要だそうです」
改めて「Calculated Table」を見てみますと、120ヤード(約110m)地点でのエネルギーが1150ft・lbsとなり、すでに1200を切ってしまいます。
着弾エネルギーの点からもみても、スズ弾の有効射程距離はせいぜい100m位だと言えそうです。
私の射撃の腕前から考えると、遠い距離から無理して撃っても当たらないだろうとは思っていましたが、改めて弾道計算をしてみて、射程距離に関する私の方針もはっきりしました。
私の今期の方針は「とにかく100m以内に近づいて、正照準で撃つ」です。
今の私にとっては、エゾシカに対して100mまで近づくというのはかなり難しいことなのですが、今猟期はストーキングの技術に重点を置いて頑張ってみたいと思います。
とても勉強になりますので、よく読ませていただいているブログ「猟友会帯広部会事務局 事務局の雑記帳兼気まぐれ日誌」に、
エゾシカの有効活用マニュアルというエントリーが立っていました。
北海道庁が作成してHPで公開している「エゾシカ有効活用のガイドライン」と「エゾシカ衛生処理マニュアル」について紹介されています。
的確にポイントを押さえた紹介記事で、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思いましたので、私のブログからもリンクさせていただきました。
もちろん道庁作成の資料は、さっそく私もダウンロードしました。
けっこうなボリュームがありますので、後でじっくり読んでみようと思っています。
以前こちらでご紹介した
<参照>「ヒグマ捕獲テキスト」もそうでしたが、道庁はこのようにとても勉強になる資料をネットで公開してくれるのでありがたいですね。