先日、初めてエゾシカの脾臓を食べてみた。
正直に言うと、実は脾臓という臓器をこれまで認識したことはなかった。
解体の最中に、肝臓と間違えて切り取ってしまったのだ。
さらに解体を進めるうちに、本当の肝臓を見つけて、初めて「これは何だ?」と気がついた次第である。
その臓器が脾臓であることも最初はわからなかった。
腎臓や膵臓とは違いそうだというところから、たぶん脾臓だろうと見当をつけたくらいである。
初めて見る臓器であったが、見た目は肝臓と似ているし、なんだか美味しそうな感じがしたので、心臓・肝臓と一緒に持ち帰って食べることにした。
ちなみに、それが本当に脾臓であることは、帰宅してから「イノシシ・シカ内臓カラーアトラス」の写真を見て確認した。
[PDF] イノシシ・シカ内臓カラーアトラス
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000.../0000058074.pdf「脾臓 料理」でGoogle検索してみると、脾臓の煮込み料理や、ペースト状にした料理などがあることがわかったが、あまり凝った料理は面倒だったので、今回持ち帰った内臓は全部まとめてカツにして食べることにした。
生まれて初めて食べたシカの脾臓のカツであったが、これが意外に美味しかったので驚いた。
加熱前に切った時はまるで血でできたゼリーのようだったが、加熱すると、密度の高いチョコレートケーキのような食感に変わった。そしてレバーのような臭みなど全くない。
今回食べたレバーが特段臭みがあった訳ではないのだが、レバー特有の風味はやはりある。それに比べるとくせのない脾臓の味は、レバーが苦手な方にも受け入れやすいと思う。私もレバーよりは脾臓の味の方が好みであった。
今回は十分に加熱したため固くなってしまったが、低温調理法を利用すれば、もっとしっとりとした、柔らかい食感が楽しめる料理に出来るだろう。
これまで、脾臓を食べずに捨てていたのは実にもったいなかったと思う。
もし脾臓を食べたことのない方で、新鮮なシカの脾臓を手に入れる機会があれば、是非食べてみることをお勧めしたい。