先日、スコープ付きのライフルを、部屋の片隅においた姿見に向かって構える練習をしていた際に気がついた。鏡に映ったスコープの内側をのぞき込むと、レティクルの反射像が拡大されて見えるのだ。
スコープの中のレティクルと、鏡の中のレティクルを重ねてみると、銃の揺れがすごく良くわかる。これは良い練習になると思った。
銃を構えた時、銃が揺れているのは自覚できても、どちらの方向に動いているかということは結構わかりづらい。特にバイポッドを使った依託射撃の構えなどでは、銃の揺れ自体が小さいので、なおさらである。
それが鏡の中のレティクルに照準を合わせる練習だと、銃がどちらに動いているのか一目瞭然だし、わずかな銃の揺れでもはっきりと確認することができる。
もしかしたら私が知らなかっただけなのかもしれないが、自分としてはなかなか面白いことを発見したと思う。ただし、鏡と正しく正対していないと鏡の中のレティクルの中心は見えないので、鏡との位置と角度にはちょっとしたコツが必要である。
つい先日、室内でライフルの挙銃・空撃ち練習をやってみた。スコープで鏡に反射するレティクル像の中心を狙って、うまく重なった時に引き金を引く練習である。
主に膝射姿勢で練習したが、なかなか銃が止まらない。しかし、レティクルの反射像とのずれで、銃がどちらに動いているかということはよくわかる。
レティクルの反射像を狙い引き金を引く練習を重ねていくうちに、銃の揺れ方についての自分の癖がなんとなくわかってきた。
私の場合、頬骨を銃床のチークピースにひっかけるようにうまく頬付けできた時は、レティクルはあまり上下には揺れず、主に左右方向にだけ揺れることに気づいた。
うまく上下方向の揺れを抑えられた時は、ちょっと極端な話をすれば、レティクルは振り子のように左右に揺れる。そこで、中心に重なった瞬間ではなく、振り戻るタイミングを見越して少し早めに引き金を引くことで、うまく中心が重なったときに撃鉄が落とせることもあった。
これまでは、狙点の中心でなんとか銃を止めようとしてきたが、銃が止まった瞬間に慌てて引き金を引くことで、かえってガク引きになってしまっていたように思う。このような話は静的射撃の競技者の方には常識かもしれないが、もっと練習を重ねて、こういう感覚を使いこなせるようになりたい。
さて、しばらく練習を続けて、膝射の練習に疲れたので、室内にスキーストックを持ち込んで、膝射の姿勢で、十字に組んだストックの交点に先台を依託して撃つ練習に切り替えた。
この構えだと、レティクルの揺れは非常に小さくなり、上下方向にしか動かなくなる。
スキー忍び猟を考えれば、この構えをもっと練習するのが良いと思った。
このように、スコープ付きの銃で、鏡に映ったレティクルを狙う練習はなかなか面白い。興味のある方は一度試してみてはいかがだろうか?