ある射撃関係の掲示板に投稿したレポートの写しです。
---以下、引用---
皆さま、はじめまして。桔梗屋と申します。
今秋からリロード&狩猟デビューしました初心者です。
この掲示板の皆さまには、大変貴重な情報を公開していただきましてありがとうございます。
私もこちらからすいぶんと沢山のことを学ばせていただいております。
ところで私、LYMANの鋳型を使って、エゾシカ猟に用いるための非鉛サボー弾の製作に挑戦しておりますので、本日はその簡単な経過報告をさせていただきます。
弾頭に使用した材料は減摩合金という錫-銅-アンチモンの合金で、融点は240度、比重は7.23です。
原料は「材料屋.com」から2.2kgのインゴットを4,410円で購入しました。
弾頭の鋳造はLEEの電気ポットと、おなじみLYMANの525grサボー用鋳型を使って行いました。
当初心配していた型離れについては、一番最初にシリコンスプレーを一拭きするだけで、後は何の問題もなく作業をすることが出来ました。
鋳造のしやすさは鉛と大差ないという印象です。
2.2kgのインゴットから約80個の弾頭が出来上がりましたので、弾頭一個あたりの単価は約55円です。
弾頭を無作為に10個選んで重量を測定したところ、平均重量で22.4g(=346r)、誤差はプラスマイナス3%程度でした。
今回の試みは、北海道での鉛弾規制に対応できる安価な非鉛サボー弾を確保することが目的ですので、出来上がった装弾はいずれ実猟の現場でその効果を試そうと思っています。
そこで弾頭重量が軽い分、なるべく初速を上げて、減少した分の弾頭エネルギーを補う作戦を考えました。
目指すコンセプトは一応「軽量高速弾」というわけです。
そこで火薬選びに際しては、軽量弾頭に合わせて、525gr弾頭で良く用いられているIMR4756よりも燃焼速度の速い火薬を試してみようと思い、何軒かの銃砲店に当たってみたのですが、入手できる火薬の中で一番燃焼速度が速いのはIMR7625のようでした。
結局、資材等の組み合わせは以下のようになりました。
銃 :12番 Rem M870SPS・元残し1/2ライフル
弾頭:減摩合金製 LYMANサボー弾頭346gr
(自家鋳造、Lyman525gr鋳型使用)
火薬:IMR7625
雷管:FEDERAL 209A
薬莢:Win.AA(クレー射撃場でもらった中古品)
ワッズ:WAA12R
クリンプ:スタークリンプ
なお、火薬と薬量の選定に当たっては、以下の文献のスラッグ&サボー用チャートを参考にしました。
"Reloading For Shotgunners: Complete How and Why of Shotshell Reloading
for Hunters and Competitive Shooters (Reloading for Shotgunners)"
Kurt Fackler; ペーパーバック; ¥ 2,474
このような組み合わせで、先日射撃場で薬量の試験のために試射をおこないました。
試射では、まず最大薬量を探るため、21grから約1gr刻みで35.4grまで各1発ずつ計16発を、雷管や薬莢の形状変化を慎重に観察しながら撃ってみました。
なお薬量の計量にはLEEのパウダーメジャーセットを使用しましたので、火薬秤を使っての精密な計量は行っていません。
恐る恐る試射した結果は、35.4grまで撃っても雷管の角は十分に丸く、見た目は21grのものとほとんど変わりませんでした。
薬莢のふくらみなどの目に見える変化もまったく観察できず、ちょっと拍子抜けでした。
もしかしたら最大薬量はまだ上なのかも知れません。
その後、29.5gr・31.0gr・32.5grを約8発ずつ撃ちましたが、雷管などに危険な兆候は観察できませんでした。
サイト合わせをしながらの試射だったので、グルーピングは計測できませんでした。
実は初めてのスラッグ射撃だったので、その日は50mでのサイト合わせもちゃんと詰め切れないという恥ずかしい結果だったのですが、32.5grでは結構思い通りの場所に行ってくれるような印象でした。
試しに50m照準のまま100mの標的を2発撃ってみましたが、2発とも弾痕不明になってしまいました。(^^;
その日は同じLymanの鋳型で作った525gr鉛弾にIMR4756を30gr詰めた弾も撃ってみましたが、両者の反動を比べてみると、346gr非鉛弾の方が反動は軽いのですが、シャープな打撃という印象を受けました。
以上、Lymanの鋳型を用いた非鉛弾製作に関する経過報告でした。
近いうちにまた試射に行ってこようと思いますので、その結果はまた改めて報告いたします。