先日のエントリ「
ヒグマ対策と銃選び」に対して、たいちょ~さんから、「一番の原因はわずかな生息地の山も、植林ばかりで自然のままの山が少ないからではないでしょうか?」というご指摘をいただきました。
非常に重要なご指摘ですので、こちらのエントリーで私の意見を述べさせていただきます。
山の荒廃が熊の出没の原因になっているのでは?、という点については、確かにその側面もあると思いますが、第一の原因ではないと私は考えています。
もちろん長期的に見れば、山の植生を豊かにして多くの動物がエサに困らない環境を作ることは、特に我々林業者にとっては重要な責務であることは間違いありません。
しかしながら山にいくらエサが豊富でも、畑や果樹園・生ゴミ置き場などに来れば、山でエサを探すよりはるかに美味しい食べ物が簡単に手に入るということを学習してしまったら、やっぱり猿や熊などの野生動物は、その食べ物に執着して、人家の周りに出没すると思います。
現在、全国で頻発している野生動物の被害は、主として、この学習と執着の結果として起こっているというのが私の認識です。
やはり対策としては、人間の生活圏に近づけば美味しい食べ物が簡単に手に入るということを学習させないことが肝心で、いったん人間の食べ物に執着してしまったら、その修正はなかなか容易ではありません。
相手が人間の食べ物に味を占める前に、死ぬほど痛い目にあわせて、人間の怖さを思い知らせる必要があります。
それでも出没を繰り返すようであれば、もはや更正は見込めないと割り切って、捕殺するより仕方ないでしょう。
長期的には豊かな森づくりを目指しつつも、いま現在発生している被害に対しては、追い払いと駆除で対応する、私の考える野生動物対策はこのようなイメージです。