すっかりアップが遅くなりましたが、サラダオイルを鋳造時の酸化防止に使ってひどい目にあった話の詳細です。
この日も純スズを使って弾頭を鋳造する作業を始めました。
前回試して好感触だった、サラダオイルを使った酸化物の発生を防止する方法を使いました。
作業開始時の写真がこちら。
きれいな油の中に溶けたスズが沈んでいるのが判りますでしょうか?
油のおかげで溶けた金属が空気に触れていませんので、酸化膜が発生しません。
このため、最初のうちは快適に弾頭鋳造の作業を進めることが出来ました。
異常の兆候に気づいたのは、作業開始から1時間ほどたってからだったでしょうか。
いつのまにか、油の色が、沈んでいるスズが見えないくらい真っ黒になってきました。
それになんだか油がネバネバしてきたような気がします。
どうやら油自体が酸化してきたためのようです。
気がつくと、溶けた金属をすくうおたま(ディッパー)と、弾頭を作る鋳型に酸化した油がべっとりと付着しています。
さて、ここで問題です。
酸化した油が焼けた金属にこびりつくとどんな状態になるでしょう?
お察しの良い方にはすぐお分かりですね。
そうです。レンジ周りのしつこい油汚れみたいになるんですね~。
すぐに作業を中止しましたが、時既に遅く、ディッパーにも鋳型にも酸化した油の皮膜が固着してしまっています。
こうなると、油汚れを強力に落としてくれるはずのブレーキクリーナーを吹きかけてもビクともしません。
しかも油の皮膜は鋳型の内側にも付着しています。これでは鋳造した弾頭のサイズが変わってしまいます。
前回ちょっと試したときにこんな状態にならなかったのは、単に作業時間が短かったために油の酸化がそれほどでもなかったためでしょう。
とにかく、この油の皮膜をどうにかしなくてはいけません。
鋳型が十分冷えてから、もう一度ブレーキクリーナーをかけてみましたが、やっぱり、しつこい皮膜はまったく溶ける気配がありません。
相手はしつこい油汚れ・・・そうだ!「強力マジックリン」の力を借りてみよう!!
そう思いついた私は、慌てて村に一軒しかないスーパーでマジックリンを買ってきました。
そして、ディッパーと鋳型を漬け置き洗いしてみました。
さすがは強力マジックリンの威力は絶大でした。
漬け置きと水洗いを何回か繰り返した後、ようやく油の酸化膜をほとんど取り除くことが出来ました。
ただし苦労したのは、鋳型の内側の細かい凹凸に入り込んだ油の皮膜でした。
鋳型の内側に傷を付ける事は厳禁ですので、硬いものでこすることはできません。
結局、爪楊枝を使ってこそげ落としました。
水洗いが終わったら、ディッパーと鋳型をもう一度熱して、完全に水分を飛ばしました。
その後で錆を防ぐためにWD-40をたっぷりと吹きかけ、余分なWD-40をコンプレッサーで吹き飛ばします。
結局、汚れ落としの作業が全部終わるまで2時間以上かかりました。_| ̄|〇
結果はこの通り。
結論。
鋳造するときの酸化防止に、
サラダオイルは絶対に使っちゃ駄目!!
・・・というお話でした。