私はこれまで火薬の計量に、LEEの「パウダーメジャーキット」(要は計量スプーンのセットです)を使ってきました。
リローディングを始めた当初は、機材にかかる初期投資があまりに多かったので、火薬秤を買うお金をケチったというのが正直なところです。
この「パウダーメジャーキット」には、主要な火薬について、スプーンの容積ごとに火薬量が何グレインになるかという対応表がついています。
この表を見ながら、いくつかのスプーンを組み合わせて希望の薬量を量り取る訳です。
計量スプーン並みのお手軽さはけっこう気に入っていたのですが、正確に計量できているのかという不安は常にありました。
しかし先日、ようやく私も天秤式の火薬秤を購入しました。
これが私が購入したLYMANの「Pro 500 Scale」です。0.1グレイン単位で最大500グレインまでの計量が出来ます。
そこで、いままでの方法で果たして正確に火薬が計量できていたのか、検証してみることにしました。
私が使用している火薬2種(IMR4756とIMR7625)を、よく使う容積の計量スプーンで量り取った場合の、実際の薬量を天秤ばかりで計測した結果は以下の通りとなりました。
なお計量スプーンでの計量では、名刺を使って、出来るだけ正確に「すり切り1杯」となるように注意しました。
--<計量結果、ここから>--
1) IMR4756 3.7cc (=33.6gr)
予想値 実測値 差
---------------------------------
1 33.6 34.0 0.4
2 33.6 32.6 -1.0
3 33.6 32.6 -1.0
4 33.6 33.5 -0.1
5 33.6 32.7 -0.9
6 33.6 33.5 -0.1
7 33.6 32.9 -0.7
8 33.6 32.7 -0.9
9 33.6 32.8 -0.8
10 33.6 33.2 -0.4
11 33.6 32.9 -0.7
---------------------------------
平均 33.0 -0.6
最大 34.0 0.4
最低 32.6 -1.0
最大差 1.4 1.4
2) IMR4756 4.0cc (=36.4gr)
予想値 実測値 差
---------------------------------
1 36.4 37.4 1.0
2 36.4 36.2 -0.2
3 36.4 36.8 0.4
4 36.4 36.0 -0.4
5 36.4 36.9 0.5
6 36.4 36.7 0.3
7 36.4 36.5 0.1
8 36.4 37.5 1.1
9 36.4 37.2 0.8
10 36.4 36.6 0.2
---------------------------------
平均 36.8 0.4
最大 37.5 1.1
最低 36.0 -0.4
最大差 1.5 1.5
3) IMR7625 3.7cc (=35.4gr)
予想値 実測値 差
---------------------------------
1 35.4 32.9 -2.5
2 35.4 33.1 -2.3
3 35.4 33.7 -1.7
4 35.4 33.1 -2.3
5 35.4 33.7 -1.7
6 35.4 34.2 -1.2
7 35.4 33.1 -2.3
8 35.4 34.7 -0.7
9 35.4 33.4 -2.0
10 35.4 33.6 -1.8
---------------------------------
平均 33.6 -1.9
最大 34.7 -0.7
最低 32.9 -2.5
最大差 1.8 1.8
--<計量結果、ここまで>--
平均値だけを見ると、IMR4756の方は意外と正確に計量されているようです。
一方、IMR7625の方はかなり予想の薬量よりも少なく計量されていました。
それでも、誤差の幅は1.4~1.8グレインもありました。
これではとても正確は計量とは言えませんね。グルーピングをうんぬん言う以前の問題でした。
ともかくこれで、いままで使っていた薬量がだいたい検証できましたので、今後の取り組みはきちんと火薬秤で計量した薬量に基づいて進めたいと思います。